カルガリーで車を買う・売る・保険を安くする|ワーホリの実例と、日本から持ってくるべき1枚の書類
カルガリーは車社会です。ワーホリで来た知り合いが実際に車を買った経験をもとに、「買い方・売り方」「保険とナンバープレートの順番」「保険料を半分近くにした書類」「月々いくらかかるか」をまとめます。先に一番大事なことを言うと、日本で車の保険に入っていた人は、出国前に保険会社から英文の無事故証明書を取ってきてください。これがあるかないかで、保険料が月$300台後半から$170まで下がった例があります。
1. カナダの車の売買は、日本より簡単
カルガリーで個人間の売買に必要なのは、たった3つです。
- VIN(車に刻まれた固有番号)
- Bill of Sale(売買契約書)
- 運転免許証(売り手・買い手の身分証明)
Bill of Sale はアルバータ州政府のサイトから無料でダウンロードできます。プリントして、売買価格・買い手の名前・車種・年式・VIN・走行距離を書き、お金を受け取ったタイミングで渡せば、売る側の手続きは完了です。「数年しか住まないのに車を買って、帰るとき売れるのか」と心配する人がいますが、日本で車を売るよりずっと簡単です。本田自身も、こちらで車を売った経験があります。
Bill of Sale(REG3126)の書き方
州の標準様式で、セクション1と2を埋めれば登録に使えます。
- セクション1:売り手の氏名・住所・電話・免許証番号、車両情報(年式・メーカー・モデル・VIN・色・走行距離)、買い手の情報、売買金額(数字と英語の綴り)
- セクション2:売買した場所と日付、「記載内容は真実」の宣誓、売り手と買い手の署名。証人欄は任意
- セクション3(裏面・任意):リーン(ローンの担保)の有無、支払い方法、前に登録されていた州、特記事項
注意点:
- 2部作り、原本は買い手が保管。登録所には原本が必要です
- 書き直した箇所は、売り手・買い手の両方がイニシャルを入れる
- 他の州で登録されていた車は、アルバータ州の車両検査(out-of-province inspection)が必要
- 買う前にVINをCPIC(カナダ警察情報センター)で検索して盗難車でないか確認し、登録所でリーン検索(有料)をしておくと安心です
2. 買う側の順番:Bill of Sale → 保険 → ナンバープレート
買う側は、相手から Bill of Sale をもらったら、先に保険に入ります。アルバータ州では、保険証明がないと車を登録できません。
- 保険:いろいろな会社がありますが、周りを見ていると多くの人が AMA(Alberta Motor Association)を使っています。日本でいうJAFのような組織で、年会費はおよそ$100前後。パンクやバッテリー上がりのときに駆けつけてくれるロードサービスが付くので、車を持つなら入っておきたいサービスです。AMAは保険も扱っていて、そこで加入する人が多いです。
- ナンバープレート:保険証明(ピンクカード)を持って、レジストリ(登録所)へ。Bill of Sale の原本と身分証を出して登録すると、その場でプレートがもらえます。追加料金で好きな文字のプレートにしたり、フレームスのデザインにしたりもできます。プレートを車に付けて、初めて公道を走れます。
- 免許:日本の免許をアルバータ州の免許に書き換える手続きは別に必要です(次の章)。
ナンバープレートは「車」ではなく「人」に付きます。買い替えのときは、Bill of Sale の日付から14日以内なら、今のプレートを新しい車に移せます。
3. 日本の免許の切り替え
- アルバータ州は日本と免許の相互承認があり、学科・実技試験なしでClass 5(普通免許)に切り替えられます。運転歴が2年未満だと段階的免許(GDL)の扱いになります。
- 必要なもの:日本の免許の英訳(在カルガリー日本国総領事館の証明書を使う人が多いです)、アルバータ州の住所の証明、在留資格の証明(就学許可証・就労許可証)。
- 日本の免許証は提出して回収されます。出国前に知っておいてください。
- 到着から90日間は日本の免許と国際運転免許証で運転できますが、車を自分名義で登録するなら早めの切り替えが現実的です。
4. 保険料の実例と、安くする方法
正直、保険料は高いです。新しい車ほど高くなります。ワーホリの人が買うのは$10,000(約100万円)以下の中古車が多く、その場合で、25歳以上・20代後半〜30代前半の人で月$300台後半というのが周りで聞く相場です。
これを下げる鍵が、日本の保険会社からもらう2つの記録です。
- 運転記録(運転歴の証明)
- 保険の加入記録:いつからいつまで保険に入っていて、事故(保険金請求)があったかどうか
カナダの保険会社は海外の記録を照会できないので、本人が書類で持ってくるしかありません。実際に、この書類を出して月$300台後半だった保険料が$170まで下がったケースがあります。逆に言うと、日本で保険に入って車に乗っていた人しか使えない方法です。
英文の無事故証明書(Certificate of No Claim)に書いてあること
日本の保険会社に「海外で使うので英文の無事故証明書がほしい」と頼むと、無料で発行してくれます(1〜2週間が目安)。実物(三井住友海上発行)の項目はこうなっています。
- 被保険者名・住所・証券番号
- 保険期間(更新ごとの期間がすべて列記。例では2015年から2025年まで6区間)
- 最後に保険金を請求した日(Latest Claim Date)
- 解約日(Cancellation Date)
- 車種(軽自動車なら Private Use Light Four-wheel)と登録番号
- 無事故割引率と無事故年数(例では「19% Applied」「No Claim: 2 Years」)
例の証明書の持ち主は、2023年1月に事故を起こして保険金の支払いを受けています。それでも証明書には「その後2年間は請求なし」と記載され、カナダの保険会社に出せる書類になっています。事故歴があっても、取る価値はあります。
北米ではこの書類を Claims Experience Letter(または Letter of Experience)と呼びます。米国State Farmの見本では「契約期間、車両、補償内容、途切れなし、損害歴なし」と1枚で済ませていて、日本の証明書も同じ役割を果たします。カナダ国内で保険会社を変えるときも、同じ名前の書類を前の会社に頼みます。
注意点:
- 契約者本人の名義であることが条件です。親名義の車を運転していただけでは、本人の証明は出ません
- 日本の「等級」はカナダで通じません。評価されるのは「無事故年数」と「最後の請求日」です
- 解約から時間がたつほど評価されにくくなります。解約の前後に取り、PDFでも保管してください
- 保険会社によって評価の仕方は違います。最大3年までしか見ない会社もあるので、複数社に見積もりを出してもらってください
5. 車選びで気をつけること
- 安さを求めるなら Facebook Marketplace や Kijiji の個人売買。ディーラーより安い代わりに、走行距離が多い車も混ざっています。車に詳しくないなら、詳しい人に一緒に見てもらうか、少し高めでも状態のいい車を選んでください。
- カルガリーの冬は雪が深い。後輪駆動の車は本当に大変です。前輪駆動か四駆でも、ウィンタータイヤを履いていないと滑ります。
- 日本で運転していなかった人には、車の購入はおすすめしません。日本で運転歴があって保険にも入っていた人なら、買ってみる価値はあります。
6. 月々の維持費の目安
現金で買った場合でも、毎月これくらいかかります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 保険(無事故証明あり) | 月$200弱 |
| 保険(証明なし) | 月$400弱 |
| ガソリン | 満タン$80〜100、月2回で$160〜200 |
| 合計 | 月$400〜600 |
これに登録料(年$90前後)、AMA年会費、冬タイヤ代が加わります。この金額を払っても生活が回るなら、車を検討してみてください。冬の運転については、別の記事で改めて書きます。
出国前チェックリスト
- 英文の無事故証明書を保険会社に請求(本人名義の契約で)
- 運転記録証明書(自動車安全運転センター。運転歴の補強に)
- 国際運転免許証(到着後90日の運転用)
- 日本の免許証は回収されると知っておく
車を持つかどうかは、住む場所と通学・通勤先で決まります。CTrainの駅近くなら車なしでも暮らせます。迷ったら、住む予定のエリアと一緒にLINEで相談してください。
参考リンク・資料
- アルバータ州 Bill of Sale 標準様式(REG3126)
- アルバータ州「Register a vehicle in Alberta」
- アルバータ州「Exchange a licence from outside Alberta」
- AMA(Alberta Motor Association)
- 三井住友海上「CERTIFICATE OF NO CLAIM」実物(個人情報は伏せています)/State Farm「Claims Experience Letter」見本
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